MINX RICCaは「お客様一人一人に寄り添い、お客様が求めている本質的な願いに気づき、全力で応えたい」という想いのもとに立ち上げたサロンです。 では、どうしてこのコンセプトに行き着いたのか? 最後に、創立者である僕の想いについて書いてみたいと思います。
美容師になった理由
そもそも美容師になろうと思ったのは、僕自身が髪の毛をとても重視していたからです。高校生の頃からうまい美容師を探しては毎回違うサロンに行き、仕上がりに納得できずに切り直しに行くこともしばしば。「ヘアスタイルが決まるかどうかで人生が変わる」。それくらい、僕にとって髪の毛は大事なものでした。 高1の頃から遊びで友達の髪を切っていたこともあり、「これを仕事にしたら楽しそうだな。どうせやるなら東京でやりたい!」と思うように。高校卒業間近になってようやく自分のやりたいことに気づき、東京の美容専門学校へ進学しました。 学生時代の成績は中の下くらい。うまくはなかったけれど、「美容師として有名になりたい」という思いだけは人一倍強かった。だから授業にも真面目に取り組み、当時は希望者のみが進めた2年制のコースを志望していたのですが、ここで思わぬ事態が起きて急遽 就職することに。すでに2月。こんな時期に採用してくれるサロンなどありませんでした。これからどうすればいいんだろう……。窮地に追い込まれた僕に、救いの手が差し伸べられます。学校側からうちの先生にならないか、とお誘いをいただいたのです。 同級生たちが進級したり、美容師になったりしていく中、まさかの「先生」として学校に残ることになった僕。予期せず教える立場になってしまったわけですが、必死に練習し、2年間教壇に立ちました。 本当は3年はやってほしいと言われていましたが、僕はどうしても美容師になりたかった。その想いをおさえきれず、生徒たちの進路相談に乗りながら、自分もこっそり就活を開始しました。MINXの存在を知ったのはこの頃です。
MINXとの出会い、亡き師匠の教え
上海ヘアショーにて
当時の美容業界の流行は可愛い系でしたが、MINXはアバンギャルド系。流行に左右されない、クールで異質なヘア作品に魅せられた僕は、「ここで働きたい」と直感的に思いました。 入社試験当日。2分間で1~2本ロットを巻ければいい方とされるワインディングの試験で、なんと8本も巻いてみせた僕は無事合格。ただでさえ同期より2年も遅れていた上に、先生という立場もあったので、当時は人一倍努力していました。少し遠回りはしたけれど、先生として過ごした2年間が僕を成長させてくれたのだと思います。 入社後はMINXの共同創立者であり、当時の業界を牽引するカリスマ美容師だった鈴木三枝子さんのメインアシスタントに就任。彼女のもとで学び、とにかく練習に励んだ僕は、同期で一番早くスタイリストデビューすることができました。師匠に早く恩返しがしたい、という気持ちも原動力となりました。 鈴木さんは残念ながら若くして亡くなってしまったのですが、今でもその教えは僕の中で生き続けています。売上をどんどん上げて天狗になっていた時も、「支えてくれる周りの人を大切にしなさい」と諭してくれた師匠。今の僕があるのは間違いなく、鈴木さんのおかげだと思っています。
お客様に信頼されるということ
KAMI CHARISMA AWARD 授賞式にて
「MINXでナンバーワンになる」。入社当時から僕の目標は明確でした。しかし、美容師はいくら技術を磨いても売上で結果を出さなければ意味がない。数字でしか判断されない厳しい世界です。 何をすればトップになれるのか? 試行錯誤した結果、僕が目指したのはオールラウンダー型の美容師でした。美容師に必要な5つのスキル「カット」「カラー」「パーマ」「ケミカル知識」「接客」のすべてを磨く、要は“技術”と“人間性”の両方が備わった美容師になる、ということです。 技術がずば抜けていても、お客様とコミュニケーションが取れなければリピートには繋がらないし、いくら話がうまくても、カットが下手では満足してもらえない。お客様に選んでいただくには、技術があったうえで信頼関係も築けることが大事だと思ったのです。 自分の中で在るべき美容師像が固まると、数字の上でも結果が出るようになりました。物販12年連続1位。リピート率もずっと1位。僕はただお客様一人一人と向き合い、お客様のためを思ってその都度、必要なものをご提案してきただけですが、その姿勢がこうした結果にも繋がるのだなと思います。
MINX RICCaの存在意義
お客様一人一人に寄り添い、お客様が求めている本質的な願いに気づき、全力で応えること。 これは僕自身が美容師として大切にしていることであり、長年実践してきたことです。そして、今MINX RICCaで一緒に働くスタッフは全員、それができる人たちです。 「美しくなりたい」と願うすべてのお客様に、確かな技術と提案で応えること。それがMINX RICCaの存在意義です。
お客様に喜んでいただくサロンであるためには、スタッフが楽しく働きながら成長し、自分の夢を実現できる組織であることも重要だと考えています。僕自身がMINXグループに独立を応援してもらったように、スタッフの誰かが新しいことに挑戦する時は、応援できる存在でありたい。これからも末永く、お客様とスタッフ、MINX RICCaに関わるすべての人を幸せにするサロンづくりを目指していきます。
MINX RICCa 代表取締役
中野太郎